自治体議会に対してできる気候アクション
2023.09.06
自治体議会はあなたに一番身近な議会。
そこで、あなたの地域のさまざまな問題が提示され、議論され、解決の方向が示されています。
気候変動対策をもっと進めてほしいのであれば、ぜひ、自治体議会に対して、できることをやっていきましょう。
たとえば、以下のようなことができます。
・自治体議会を傍聴する
・自治体議員に、議会で気候変動について質問をしてもらう(その前段として、情報提供をする)
・自治体議会に、「請願」や「陳情」を提出する
自治体議会を傍聴する
自治体の議会は公開が原則です。そして、議会が開かれる場所(議場)には、傍聴席があって、基本的に誰でも傍聴ができます。通常、議会は平日に行われるので、関心の高い案件が議論される場合を除いて、それほどたくさんの傍聴者がいるわけではないようです。傍聴者がいると、「有権者が見ている」ということになり、緊張感が生まれます。誰だって、見られていれば、意識しますよね。また、最近は、インターネット議会中継を見れるようになりました(もし、あなたの自治体議会がまだインターネット中継を始めてない場合、ぜひ、開始を求めてください。やれない理由はないはずです)。ぜひ、お仕事の休憩時間だけでも、中継を見てみてみてください。こんなことを議論しているんだな…と勉強になります。
傍聴は、議会のホームページのサイト内検索で「傍聴」と入れれば、傍聴の仕方が書かれています。
インターネット中継も同様です。
自治体議員に、議会で気候変動についての質問を提案する(その前段として、情報提供をする)
議員は、わたしたち有権者の「代弁者」。あなたが大事と思っていることを質問してもらいましょう。「地球温暖化について、質問してください」の一言でも、その議員が気候変動について議会で質問するきっかけになるかもしれません。議会で議員が質問すれば、行政は答えを考えなければなりません。気候変動対策を進めてもらうために大事なことです。議員に「…について質問しませんか」と提案する方法については、以下のブログに書かれています。
また、その前段として、「情報提供」があります。自分の選挙区から選出されている議員などに、あなたが気になったニュースなどを伝えるのも、「情報提供」です。自治体議員はわたしたちの暮らしすべてについてが「担当」なので、気候変動についてとくに詳しい、という議員はあまりいません。ぜひ、気候危機について情報を提供してみてください。メールや、SNSのメッセンジャーでできます(下図)。
陳情や請願をしてみよう
また、わたしたち住民には、「請願」や「陳情」をする権利があります。この制度も、気候対策を進めてもらうために有効に活用できます。
陳情や請願のだし方については、ブログ「請願・陳情の出し方」をご覧ください。
自治体にこういう気候対策を進めてほしい… という趣旨の「請願・陳情」以外に、国に、こういう気候対策を進めるよう要望してほしい、というものもできます。
例として、現在あるチームで検討されている陳情文案をつけておきます。
陳情
国へ学校の教室の断熱改修を進めることを求める意見書を提出してください。
陳情の理由
昨今、気候変動が深刻化していますが、2023年の夏は過去最高を大きく上回る圧倒的な暑さを記録し、夏休みに入る前の7月から猛暑日が続きました。最近建設された例をのぞき、神奈川県内の小中・高等学校のほとんどは断熱されておらず、暑い教室での学習が子どもたちに強いられています。東京大学の前真之准教授のおこなった調査では、断熱のされていない学校の最上階の教室では、設定温度17度で空調を入れても室内温度は30度以下にさがらず、天井の表面温度は42度に達していたといいます。
天井や壁に断熱材を入れ、二重窓を設置する断熱改修を施すことで、この状況は改善します。前述の前准教授の調査では、断熱改修を実施した教室では、していない教室より室内温度は7度低かったとのことです。
本県では、他自治体と同じように、まずは学校の耐震改修を実施しているところであり、断熱改修については計画もありません。文部科学省「学校施設環境改善交付金」は教室の断熱改修にも使用可能ですが、補助率が3分の1程度であり、教室の断熱改修はできていないのが現状です。
令和6年度文部科学省概算要求でも学校施設の脱炭素化を含み予算が昨年と比較して3倍となっていますが、すべての小中学校および高校の教室を断熱改修できるような規模の予算が必要です。
断熱改修は、夏の空調の効きをよくするだけでなく、冬も暖かくなります。子どもたちや教職員の健康をまもるだけではく、CO2と光熱費の削減にもなります。
以上の理由から、以下を国に求めてください。
1 すべての学校の教室の断熱改修を国の主導で進めてください。
2 文部科学省「学校施設環境改善交付金」を学校の断熱改修に使用できることを周知し、補助率を100%にしてください。
3 学校の断熱改修を効率的に実施するため、学校断熱改修のモデル事業に取り組んでください。
以上
以上、さまざまな取り組みを紹介しました。
気候変動が深刻化していると感じます。そんな今こそ、実際、気候対策をになっている自治体の政策を議論する議会に、市民参加していきましょう。
ゼロエミッションを実現する会では、市民からの自治体・議会へのアプローチを行っています。
今まで取り組んだことのない方でも大丈夫。
「ゼロエミッションを実現する会」には、たくさんの仲間がいます。
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