アクションブログ
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陳情・請願の出し方

2024.07.25

市民が自治体に意見や要望がある時は、誰でも「請願」や「陳情」を議会に出すことができます

そして、請願や陳情を出すと以下のように、いいことがたくさんあります。

1、 議員も行政も請願・陳情の文章を読む
2、賛成・反対を表明しなければならないので、議員が勉強する
3、プロセスで、理解が深まる
4、資料が渡せる
5、議会で趣旨説明ができる(できないところもありますが)
6、採択されれば実現へ(少なくとも近づく)

   

こちらは、東京都港区議会の副議長なかまえ由紀さんという議員さんのFacebook投稿です。

港区議会議員はFB投稿で、請願により「議員も勉強」し、「区の取り組みも前進せざるをえない」と言っています。それなら、全国でたくさん、陳情や請願をしていけば、気候対策がすすみますね。

そこで、このページでは、「どうやって請願や陳情を出せばよいのか」を詳しく解説していきたいと思います。

※請願や陳情の出し方は、自治体により若干の違いがありますので、それぞれの自治体のホームページで「請願・陳情の出し方」を確認した上でお出しください。

  

[目次]

> 請願・陳情 とは
> 請願・陳情の出し方
> 請願・陳情を考える前に
> まず、はじめに 目的の明確化
> 陳情・請願どちらにするか決める
> 提出方法を調べる
> 提出までの流れ
> 結果は、「採択」「趣旨採択」「継続審議」「不採択」
> 審議の際は、傍聴をよびかけて
> 採択されたら
> 不採択の場合
> 一緒に、行動していきましょう

請願・陳情とは

陳情と請願は、住民の声を政治に届けたり、反映させたりするしくみです。議会に書面で提出し、議会が審議します。個人でも団体でも出せ、年齢制限も国籍の制限もありません。

請願と陳情の違いは、請願を出すのには紹介議員が必要で、陳情には、紹介議員は不要、という点です。請願と陳情の位置付けに違いがあるかなどは自治体によって違います。同じ重みだったり、陳情は配布のみなんてところもあるようです。そのため、提出を考えるときに、議会事務局などに様子を聞いてみるのがおすすめです。
議会事務局の連絡先は、たとえば目黒区議会事務局、などと検索すると電話番号がわかります。議会のウエブサイトにも、請願、陳情の出し方などが説明されています。請願も陳情も、付託された委員会で審査を行い、陳情は委員会で審査後、採決となり、請願は委員会で審査、採決後、本会議でも採決します。

請願・陳情の出し方

気候危機について「陳情や請願書を出してみたいな」と思ったら、ぜひ、「ゼロエミッションを実現する会」(ゼロエミ)にご相談ください。
また、ゼロエミでは随時「陳情・請願出し方勉強会」を開催しています。(勉強会で使用するスライド

請願・陳情を考える前に

話しが前後しますが、請願・陳情を考える前に考えるべきことがあります。それは、何を達成したくてするのか、という目的です。ことがらによっては、請願・陳情がもっとも有効な手段というわけではないかもしれません。議会によっては、「陳情・請願は否決がデフォルトなのか?」と思えるほどほとんどなにも採択されてない… というところもあります。それを知るには、過去の陳情・請願の記録を見てください。内容を見ても、とくに問題がなさそうなのに採択されていなければ、自分が出す陳情・請願も採択されない可能性が高いと考えて採択までに何をしたらよいかを考える必要があるでしょう。 

その上で、陳情・請願をする、ということになれば、準備をしていきます。

まず、はじめに 目的の明確化

まず、目的を明確化します。たとえば、公共施設で使用する電気を再エネしてもらいたい、など。そして、それが今、自治体ではどうなっているのかを調べます。自治体が出している計画を見たり、電話で問い合わせてみます。計画などは100ページ以上のものもあります。読み込む必要はないですが、さらっと目を通してみてください。

事務局でおすすめしているのは、ゼロカーボンシティ宣言がまだされていなければ宣言を出すことを求めるもの、すでに出しているのであれば、2030年、2035年目標はどうなっているか?その施策は?を見て、何を求めるかを考えていきます。
● 参考:脱炭素請願・陳情事例集

何を要望したらよいかわからない場合は、ゼロカーボンシティ宣言をしていない自治体にはゼロカーボンシティ宣言を求めてみてはどうでしょうか。ゼロカーボンシティ宣言をすでにしている自治体には、その確実な実行や、2030年温室効果ガス削減目標の強化を求めてみてはいかがでしょうか。その他、・省エネ推進 ・再エネ拡大など施策の強化もおすすめです。

要望の項目はシンプルにしたほうがいい場合が多いです。
「項目1には賛成だけど、項目2には賛成できない」という理由で不採択になるともったいないからです。

陳情・請願どちらにするか決める

さて、なにを求めるか、が決まったら、陳情にするか、請願にするか、を選びます。これもどちらが有効なのか、目的達成に貢献するのか、から考えて選びます。➀これまでどのような陳情、請願が採択されている?②政策に反映された?など過去のケースを調べたり、議員に聞いてみたりするとよいでしょう。
請願の場合、紹介議員になってくれそうな議員をどうやってみつけるかについては、ケースバイケースなので、事務局までご相談ください。
(ゼロエミッションを実現する会のスラックに参加して、#よろず相談 チャンネルからご相談いただくか、事務局までご連絡ください)

提出方法を調べる

どちらか決まったら、提出方法を調べます。自治体によって少しづつ違っていたりするので、自分の自治体の議会のウェブサイトで、調べます。
たとえば、「東京都議会、 陳情 請願」で検索するとすぐわかります。

(下は東京都議会の「請願・陳情ガイド」)

準備から提出、採否が決まるまでの流れ

1 議会事務局に電話をして、締め切りや不明点を聞く
「請願や陳情を提出したいのですが、締め切りはいつですか?」
「郵送でもいいのですか?」などなど。

2 文書を作成
自治体議会のウェブサイトに「陳情」や「請願」の書き方例が掲載されているので、そちらに沿って文書を作成します。ゼロエミのウェブサイトに過去の陳情や請願の文書がありますので、参考にしてください。

脱炭素請願・陳情事例集

陳情事例はこちら
請願事例はこちら

3 文書を提出
提出すると、事務局が体裁を整えたり微修正されたりする場合もあります。そして委員会へ付託されます。付託というのは扱う、ということです。採択されるには委員会の過半数が賛成する必要があり、過半数が賛成するようはたらきかける必要がありますから、どの委員会か聞いて、聞いたら、その委員会の委員の名簿をチェックしましょう。そして委員会で審査され、賛成反対が

議論されます。そのときに、提出者による趣旨説明を5分から10分できる議会もあります。

4 結果は、「採択」「趣旨採択」「継続審議」「不採択」

結果には4つの可能性があります。まず、採択、そして趣旨採択、継続審議と不採択です。
不採択になってしまうと、行政が「それはやらなくてもいいこと」と認定してしまう可能性があり要注意です。継続審議は、継続審議となったからといって、次の議会で審議するわけでもなく、たいてい放置されます。趣旨採択は、一部文言に賛成できないことが入っていたりする場合で、効果はそれほどかわらないと思いますが、自治体にもよりです。採択はもちろん、もっともいい結果で、採択されれば、行政はその項目について検討を始めなければならなくなります。

そこで、採択されるには何をしなければならないか、考える必要があります。議会では、過半数の賛成を得る必要があり、多数会派の政策と一致しないときは、採択されない可能性が高いです。ただし、多数会派以外の賛成で過半数がとれるところもあります。採択されるためになにをしたらよいかは、ケースバイケースですので、ぜひ、ゼロエミの定例会や個別相談やスラックなどでご相談ください。

審議の際は、傍聴をよびかけて

委員会について、ぜひ、傍聴を広く呼びかけてください。傍聴者の数で市民の関心を示せます。採否はその場ですぐわかります。でもそのあと、採否の連絡がきます。賛成してくれた議員にはぜひ、お礼を。そして引き続きその要望の実現についてお願いしていきましょう。

採択されたら

採択されたら、賛成票を投じた議員にぜひ、お礼を述べ、引き続き実現のために力を尽くしてくれるよう要望していきましょう。

不採択の場合

残念ながら、不採択だった場合はなぜ、不採択になってしまったかをゼロエミといっしょに考えましょう。次は必ず採択されるように。

一緒に、行動していきましょう

ゼロエミといっしょに、気候危機を回避できるよう、行動していきましょう。

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今まで取り組んだことのない方でも大丈夫。

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