アクションブログ
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随時更新していますので、ぜひ、チェックをしてみてください。

気候対策を自治体から進めよう 横浜市中期計画案へのパブコメに参加しよう

2022.09.16

横浜市中期計画案にパブコメを出そう!
〜気候対策をリードする横浜に〜


横浜市中期計画案に対する意見公募(パブリックコメント)が始まっています。

横浜市中期計画は2040年ごろの横浜のありたい姿を示して、その実現に向けた基本戦略を示すものです。

パブリックコメントを経て、 2022年12月に原案が策定される予定となっています。

ぜひ、パブリックコメントを出してください。

素案では「2030年度の温室効果ガス削減目標を50%」としています。

しかし、破局的な気候危機を避けるためには、2030年までに世界全体で温室効果ガスをほぼ半減させる必要があります。

これから温室効果ガスの排出が増えるとされる途上国もある中、日本のような先進国では、2030年温室効果ガス削減は2013年比で60%以上でなければ、世界全体で半減は困難です。ぜひ、60%以上に!と意見を出してください。

目次

提出方法

下記2つの方法があります。

1、①住所②氏名③本件に関する意見 の3つを書いて、

ss-chuki2022@city.yokohama.jp に送る

2、横浜市の電子申請受付ページ(外部サイト)から申請する。

※締め切り 10月14日

素案を読む

素案では、「子育てしたいまち 次世代を共に育むまち ヨコハマ」を基本戦略に、9つの戦略と38の政策を示しています。

気候変動については、どのように書き込まれているのでしょうか?

いっしょにみていきましょう。

全体の構成

「子育てしたいまち 次世代を共に育むまちヨコハマ」を基本戦略に、以下のような構成となっています。

市長会見資料 概要版 より

《基本戦略》

  • 子育て世代への直接支援
  • コミュニティ・生活環境づくり
  • 生産年齢人口流入による経済活性化
  • まちの魅力・ブランド力向上
  • 都市の持続可能性

《9つの戦略及び38の政策》

 <9つの戦略>
「共にめざす都市像」の実現に向け、特に重要な政策の達成に向けた10年程度の取組の方向性

 <38の政策>
9つの戦略に沿って4年間で重点的に推進する取組

《行財政運営》

 <行政運営>
「行政運営の基本方針」(策定中。令和4年8月素案公表)に基づく信頼と責任のある行政運営

 <財政運営>
財政ビジョンに基づく「施策の推進と財政の健全性の維持」の両立

中期計画の中のゼロカーボン

広報よこはま 特別号より: 冊子は「横浜市中期計画2022~2025(素案)」

気候対策に関しては、戦略3「ゼロカーボン横浜の実現」に以下のように書かれています。

「2050年のカーボンニュートラルの達成に向け、 2030年度の温室効果ガス削減目標を50%とし、市民 や事業者等の皆様と連携した取組を進め、脱炭素を通 じた本市の更なる成長につなげます。  2030年のSDGs達成に貢献するとともに、循環型社会の構築を目指します。」


2030年度の温室効果ガス削減目標が50%としています。この目標は、専門家や公募市民などが参加している審議会で議論されて決まったものではなく、2022年2月9日に市議会の施政方針演説で市長が発表したものです。しかし、なぜ、50%にしたのかの十分な説明がありません。

2022年3月11日には、横浜市温暖化対策統括本部が市議会の委員会で2030年の温室効果ガス削減目標について「本市は、脱炭素化に向けた都市モデルを構築 し、我が国をけん引していかなければならない立場」であり、 「削減目標は、都市の将来像を象徴的に示すものであり、上記の事項等を総合的に勘案し、意欲的 かつ実現可能な目標として 50%削減(2013 年度比)を設定」と説明しました(参照「横浜市地球温暖化対策実行計画の改定について」 )。

しかし、気候危機を回避するには、今後温室効果ガス排出が増えるとされる途上国含めて世界全体で約半減させなければなりません。日本のような先進国の、しかも横浜市のような鉄鋼などの温室効果ガス排出削減が困難な業種が集中していない商業都市では、より大幅な削減が必要です。

50%削減は実現可能かもしれませんが、「意欲的」とは到底言えません。

気候危機を回避するには気温上昇を1.5度に抑える必要があり、そのために排出できる温室効果ガスの量は決まっています。それを炭素予算(カーボンバジェット)といいます。
カーボンバジェットから考えると、日本では2013年比で少なくとも60%以上の削減が必要です。

(なぜ60%以上の削減が必要かについてくわしくはこちらをご覧ください)

横浜市でも、少なくとも60%以上の削減が求められます。

脱炭素社会の推進

ゼロカーボンに関連する政策として、政策18「脱炭素社会の推進」があります。

素案にある施策は以下となっており、必要な分野を網羅していると考えます。

  1. 脱炭素化と市内経済の持続的な成長の促進
  2. 再生可能エネルギー導入の促進
  3. 住宅・建築物の省エネ化の推進
  4. 次世代自動車の普及促進
  5. 脱炭素化への行動変容を伴う普及啓発と国内外への展開
  6. 市役所における脱炭素化に向けた率先行動

こうした分野において、日本のみならず、世界の自治体がおこなっている気候対策を取り入れていただきたいと考えます。

そのためには、まずは公共施設の取り組みの強化・加速が大事です。

  • 再生可能エネルギーの導入のため、公共施設での再生可能エネルギー調達をデフォルトとして目標より前倒しで行っていく。
  • 全公共施設において断熱改修と太陽光パネル設置の検討を進める。新築および耐震改修の際には必ず最上級の断熱性能の確保をはかる。


また、現状の計画では、脱炭素化への行動変容について「啓発」に過度に依存していると感じられます。市民の行動変容をはかるには、そのためのしくみを整える必要があります。

市民に求められる行動変容には

  • 再生可能エネルギーによる電力調達住宅の断熱性、
  • 気密性の向上(新築時、改修時)省エネ機器への更新
  • 公共交通機関の利用
  • 菜食、フードロスの削減

があげられます。

これらの行動変容を促すには「啓発」よりも「しくみ」です。

電気を購入する際には、再生可能エネルギーが選ばれるようなメニューの提示、地域の工務店が積極的に断熱改修をよびかける、地域の電気店が積極的に省エネ家電を紹介する、あるいは製品にどれだけ経済効果があるか、わかりやすい表示がある、公共交通機関を安く、利用し易く、給食での菜食など、本人が意識しなくても、行動が変容されるような「しくみ」こそが必要です。

持続可能な資源循環の推進

もう一つの政策は政策19 「持続可能な資源循環の推進」です。

素案にある主な対策は次の通りです。

  1. プラスチック対策の推進
  2. 食品ロス削減の推進
  3. 環境にやさしいエネルギーの創出と脱炭素化の推進

こちらには、サーキュラーエコノミーの推進のような根本的な解決につながる施策が欠落しているように思います。

● すべてのテーマに気候対策の「視点」が必要

横浜市中期計画 素案より

素案の冒頭に「基本戦略・戦略の構造」図(上記)があり、この図に示されるように、すべてのテーマはつながっています。そして、本来、すべてのテーマに、「気候対策」の視点が組み込まれていなければなりません。

気候危機に落ち入れば、子育てもコミュニティもまちも、都市も崩壊してしまいます。

● パブコメを出そう

冒頭で「横浜市の2030年温室効果ガス削減目標を60%以上に」と意見を出そうと呼びかけました。

でも、これまで見てきたように、素案にはたくさんの「意見の出しどころ」があります。ぜひ、あなたの意見を届けてください。

「素案を読んで、パブコメを書く会」にご参加を

「ゼロエミッションを実現する会」では、パブコメの締め切り日までの毎週土曜日の午前11:00から『横浜市中期計画を読んで、パブコメを書く会』をします。

ぜひ、参加してください。ひとりで書くより、楽しいですよ。

【日程】

① 2022年9月17日(土) 11:00〜11:45 AM

② 2022年9月24日(土) 11:00〜11:45 AM

③ 2022年10月1日(土) 11:00〜11:45 AM

④ 2022年10月8日(土) 11:00〜11:45 AM

※内容は毎回同じです

【参加申込】

こちらのリンクからzoom登録をお願いします

※どの日程もzoomリンクは同じですので、何回参加される場合でも、お申込は一度でOKです🙆‍♀️
(何度お申込してもOKです)


市民の声って意味あるの?という方、ぜひ、こちらの記事をお読みください。

変えれば、変わる ― 市民の後押しで進む気候政策(江守正多) – 個人 – Yahoo!ニュース

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