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【終了/報告・資料掲載】神奈川温暖化対策計画パブコメのため緊急開催:10/29 (日)神奈川の脱炭素はこう実現する〜もっと上を目指せる〜歌川学氏をまねいての勉強会

2023.10.21

【報告】神奈川県が「地球温暖化対策計画」改定のパブリックコメントを募集しているのを受けて、2023年10月29日(日)、横浜市技能文化会館で勉強会「神奈川県の脱炭素はこう実現する~地球温暖化対策改定もっと上を目指せる~」を開催しました。(主催:ゼロエミッションを実現する会・横浜ほか)

歌川学氏資料

以下、ゼロエミ事務局によるまとめです。(スライドは歌川学氏資料より)

産業技術総合研究所主任研究員の歌川学氏が、2050年脱炭素シナリオの神奈川版を説明、2030年までに2013年度比で66%のCO2削減が可能であることを示しました。

 気候変動の被害が拡大していますが、対策をして、気温上昇を低く抑えれば被害も小さくなります。IPCC(国連の気候変動政府間パネル)は、2035年までに2019年比で65%CO2削減が必要としています。

神奈川県のCO2排出量は約6000万トン。内訳は、発電所などの自家消費分であるエネルギー転換が15%、産業部門が35%、業務部門が16%、家庭部門18%、運輸部門が14%となっています。産業部門については、784万トンを占めるJFE京浜製鉄所の高炉が2023年9月に休止となり、大きな削減が見込まれます。

右は、排出のうち電力について見たグラフです。電力が全体の44%を占め、この電力を再生可能エネルギーに変えるだけで半分弱もの削減ができるということになります。

再エネへの転換を考えるとき、大量のエネルギーを使っている今のままでの転換ではなく、エネルギー消費を大きく減らすことをして、その上での再エネ転換を考えなければなりません。省エネと再エネの両方の導入をします。

地域の省エネを考えるとき、設備の更新・買い換え時に省エネ型の機器を選択する、建築の新築・建て替え時に断熱性能を高くする、クルマなど輸送手段の更新・買い換え時に燃費のよい、できれば電気自動車を選択する(電源は再エネ)の3つが重要になります。

再エネ導入の選択肢として、自治体など地域主体が自ら再エネ発電所をつくる方法もあります。企業、家庭は、再エネ割合の高いメニュー(できれば100%再エネ)を選びます。

神奈川県でも、県内に高い再エネのポテンシャルがあります。2050年の電力消費のうち、6割近くを屋根設置型の太陽光発電で賄えます。ソーラーシェアリングなどの営農型太陽光にも1割近くのポテンシャルがあります。のこりは、他県の再エネを利用します。

事務所などで、蛍光灯をLEDにしてさらに本数を半減すれば6割の省エネになります。また、冷暖房を省エネ型にすれば2割から5割、ヒーターから省エネ型エアコンに変えると75%から85%の省エネになります。家庭でも省エネ型機器への変更で大きく省エネができます。

建築物においては、無断熱建築と比べ、2025年から義務化される断熱基準(断熱等級4)で住宅で6割の削減になりますが、この基準は他先進国の基準からみると低いものになっています。日本で2030年からの義務化が予定されている断熱基準(断熱等級5)であっても、まだ低いレベルです。断熱等級6で欧州レベルの断熱基準です。さらに等級7というレベルもあります。

2030年CO2の66%削減シナリオの想定は、以下のようになっています。

産業:省エネ設備更新・回収

業務:新築時に断熱建築普及。2025年以降の新築は断熱性能は半分が「等級6」、半分がゼロエミッションビル。機器・設備更新時に省エネ機器に転換
家庭:新築時に断熱建築普及。2025年以降の新築は半分が「等級6」、半分がゼロエミッション住宅。
省エネ機器を更新時に選択

運輸:更新時に燃費の良い自動車に転換。乗用車の20%を電気自動車化、バス・トラックの5%を電気自動車化

購入電力:エネルギー基本計画の火力42%を想定、0.25kg/kWh)、再エネ電力割合58%。域内再エネ拡大。新築の建物に太陽光設置。2030年に企業家庭の10%が再エネ100%電力契約、その後も増加。

以上により、2030年に、2013年度比66%のCO2削減が実現します。

もちろん、そのためには、有効な施策をおこなっていく必要があります。(以下例)

・省エネ機器の対策種類、効率、コストの具体的情報提供(窓口設置や専門家派遣など)
・電気店、自動車販売店と協力(省エネ家電やEVの省エネ効果、コスト回収時期について知らせる)
・断熱建築の具体的情報提供(窓口設置や専門家派遣など)
・建築業者と協力(断熱や太陽光、太陽熱利用の省エネ効果、コスト回収時期について知らせる)建築物情報の表示制度を周知
・地域新電力設立の検討
・公共設備で、高断熱、省エネ型設備、EV化をし、モデルルームやモデルケースとしてアピールする

さいごに(事務局より)
歌川さんの想定した66%削減を実現するには、断熱等級6を基準とする、断熱等級7を推奨基準とする、また、太陽光発電設備の設置義務化などの手法も必要になってくると思います。最初のうちは補助金事業も必要かと思います。しかし、とくに新築では初期費用は回収できます。高い断熱等級にして太陽光発電設備を設置すれば、冬暖かく、夏涼しく、電気料金の心配もいらない家となることをまず、家を建てる側が理解し、顧客に周知することが重要だと思います。そして、そうした住宅を県営住宅として県が県民に提供していくことも。神奈川県の「地球温暖化対策計画」改定素案のパブリックコメント期間は2023年11月19日までです。多くのみなさんに、パブリックコメントの提出をよびかけます。

送り方はカンタン:ゼロエミ横浜のインスタグラムの動画をご参考になさってください。

またはこちらのブログでもご紹介しています。

……………………..

以下 10月29日(日)に行われた勉強会の告知文になります。



神奈川県が地球温暖化対策計画を改定中です。これまで数百の自治体のCO2削減について試算をしてきた歌川学さんによれば、神奈川県では2030年までに2013年比で60%以上の削減が可能とのことです。それはどう実現するのでしょうか。
お話しを聞いて、パブリックコメント(意見公募)に参加して、よりよい計画作りに参加していきませんか?
パブリックコメントについての情報は こちら 
共催:ゼロエミ横浜、ゼロエミッション逗子ほか

10月29日(日) 13:30-15:00

神奈川の脱炭素はこう実現する~地球温暖化対策改定もっと上を目指せる~

会場(30名定員)とZoomで同時配信もいたします。
Zoomリンク等詳細は、イベント数日前にEmailにてご連絡いたします。

お申し込みはこちら
https://docs.google.com/…/1FAIpQLScR8a5PaK…/viewform

開催日:2023 年 10 月 29 日 (日) 13:30~15:00 
形式:会場、および、オンライン(ハイブリッド形式)
会場:横浜市技能文化会館 801研修室
住所:〒231-0031横浜市中区万代町2丁目4番地7
アクセス:JR根岸線[関内駅]南口から徒歩5分
     横浜市営地下鉄ブルーライン [伊勢佐木長者町駅]出口2から徒歩3分
参加費:無料
共催:ゼロエミッションを実現する会・横浜*(zeroemi.yokohama@gmail.com)他

【プログラム内容】

「神奈川県地球温暖化対策計画」改定素案についての改善点の説明
(産業技術総合研究所 歌川学先生)

※お申し込み30名さまを超えた場合、現地での参加ができない場合がございます。その場合、オンライン参加のご案内をさせていただきます

*ゼロエミッションを実現する会・横浜のSNS等はこちらから
linktr.ee/zeroemi_yokohama

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