東京都北区で気候変動に関する陳情が4つ、委員会採択されました!

こちらの陳情4つは、北区議会本会議にて、すべて全会一致で採択されました!(2022年3月23日)

ゼロエミッションを実現する会に嬉しいニュースが入ってきました。メンバーの皆さんの頑張りの結果、東京都北区において2030年CO2削減目標を60%以上と設定することを求める陳情、北区有施設の省エネ断熱性能の向上を求める陳情など、併せて4つの陳情が委員会で採択されました。どれも自治体が温暖化対策を進める上で重要な論点ばかりです。北区メンバーに伺ったお話をまとめました。あなたの自治体における気候変動対策強化へ向け、ぜひ参考にして頂きたい内容です。

ゼロエミッションを実現する会 東京都北区 メンバー

長澤さん

吉永さん

小松原さん

北区の陳情はどのような思いで提出されましたか

長澤さん:昨年、同じメンバーで北区のゼロカーボン宣言と削減目標引き上げの陳情を提出した際、ゼロカーボン宣言のみが採択されました。宣言採択以降、北区がどのような取り組みを進めていくのか気になっていた時、陳情を通じて次のアクションを呼びかけようと思い、提出へと動き出しました。

小松原さん:北区のメンバーの皆さんがアクションを起こそうとしている動きをみて、一緒に頑張りたいと思い行動しました。

陳情4本採択を受けてどのようなお気持ちでしたか

長澤さん:陳情が採択されたときは、正直驚きました。自分達が働きかけることや、議員の方達に直接お話をすることで現状が変わるんだ!と実感させられました。

小松原さん:昨年は排出削減目標50%を目指してくださいと求めたのに対し、今回は60%で提出していたのでうまくいくのか不安ではありましたが、全て採択されたので嬉しかったです。

吉永さん:本当かどうか信じられませんでした。昨年の北区ゼロカーボンシティ宣言の採択から、実際の宣言までにタイムラグが生じたことに加えて、宣言に60%明記の働きかけができていなかったことも反省点としてありました。

陳情が採択されたときの議員の皆さんの反応はいかがでしたか。

長澤さん:実際に採択へ向けて動き出してみる中で、お話させて頂いた議員の方々が私たちの提案を前向きに捉えて頂いている印象を受けていました。

吉永さん:削減率60%以上が通った自治体は、北区が初めてです。東京都の中でも区の担当の方とお話しすると、60%はなかなか難しいと判断されることがほとんどなのが現状です。今回は北区の環境課の係長に積極的に声掛けをしました。東京都の中でも50%を軸とした議論が主流な中で、北区での60%採択は厳しい、というのが与党の見解でした。ですが一人、議員の方で脱炭素の活動について勉強してくださっていたおかげで結果的には採択へと繋げられたと思っています。その方は、去年私たちが同様に陳情を出したことも知ってくださっていたので、小松原さんの働きかけもあって今回の採択が実現できたと実感しています。

今後はどういった活動を目指されますか

長澤さん:今回の経験を通じて、働きかけることで現状が変わると気付いたので、今度は、北区にゼロウェイスト宣言を出してもらいたいです。

小松原さん:議員の方への働きかけももちろんですが、自治体に削減量の設定基準や根拠に関して質問することの重要性を実感しました。今後、区民が主体となって排出量を削減するためのコミュニティを形成していくことが必要ではないかと感じています。

まとめ

今回の北区の事例のように、ご自身の自治体に対して小さなグループでアクションを起こしてみることで大きな変化が生まれるということに、気づいた方もいらっしゃるのではないでしょうか。気候変動や脱炭素化、削減目標の数値など、一人では難しいと感じることも多い課題に対して地域のコミュニティを通じて取り組むということを、一人でも多くの方が知っていくことが大きな一歩だと実感しました。

実際に提出された陳情4本

  1. 2030年CO2削減目標を60%以上と設定することを求める陳情 

提出年⽉⽇ 2022年2⽉16⽇ 

北区議会議⻑ 名取 ひであき殿 

陳情者 北区ゼロエミッション2050  

                                              

主旨 

北区環境基本計画における2030年のCO2排出量削減目標を2013年比60%以上と設定することを区議会として求める。

理由 

 2021年11月13日に閉会したCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)では、気温が1.5度以上上昇すると海面の極端な上昇、壊滅的な干ばつ、猛烈な嵐、現在起こっているよりもはるかに深刻な森林火災などが引き起こされるとし、温暖化を1.5℃以内に抑えること、そのために各国に来年末までに削減目標(NDC)を強化することを求める合意文書を採択しました。

 今のままでは、2040年には1.5℃上昇が起きてしまうと言われています。そのため、2030年までの行動が、2050年までの温暖化に大きな影響を及ぼします。

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が発表した、地球の温度上昇を1.5度以下に抑えるための炭素予算を日本の人口で按分すると、2030年までに60%以上の削減が必要です。

(国際研究機関のクライメート・アクション・トラッカーの試算によると、2030年までに62%の削減が必要です。)

 北区では、昨年「北区ゼロカーボンシティ宣言」を表明し、官民一体で2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロに向けての取り組みが始まったばかりです。2050年の目標達成に向け、より具体的かつ科学的根拠に基づいた計画が必要です。

  よって、北区においても2030年CO2削減目標を基準年(2013年)比で少なくとも60%減としていただくよう求めます。

参考

クライメート・アクション・トラッカー(CAT)「日本の1.5°Cベンチマーク」https://climateactiontracker.org/documents/849/2021_03_CAT_1.5C-consistent_benchmarks_Japan_NDC-Translation.pdf

  1. 北区有施設の省エネ断熱性能の向上を求める陳情

                       提出年月日 2022年2月16日 

北区議会議⻑ 名取 ひであき殿 

陳情者 北区ゼロエミッション2050   

             

要旨

 北区有施設の省エネ断熱性能を向上させるよう北区議会として求める

理由 

 北区では、咋年「北区ゼロカーボンシティ宣言」を表明し、2050年までに区内の二酸化炭素排出量実質ゼロを目指し、脱炭素社会への移行に取り組むことを表明しました。

 ゼロカーボンシティの実現、2030年に向けてのCO2排出量削減に向けては、再生可能エネルギーの導入促進などの施策に加えて、エネルギー消費量を減らす省エネルギーの取り組みが極めて重要となっております。

 環境省・経済産業省・国土交通省・文部科学省においては、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の導入に向けて大きく動き出しており、さらにはLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)の導入も始まっています。とりわけ、公共施設の省エネルギー・ZEB化については、2014年4月に閣議決定されたエネルギー基本計画「建築物については、2020年までに国を含む新築公共建築物でZEBの実現を目指す」とされております。

 建築物の省エネルギー性能の向上は、コスト高になるとの誤解もありますが、ランニングコストの低減により長期的にはむしろトータルコストの削減につながります。

 また、断熱性の高い建築物においては健康が保たれること、学校のこどもたちの勉強の効率の向上、企業においては働く人の環境と健康の向上となることが様々な研究で明らかになっています。

 さらに、公共施設は災害時の避難所や対応拠点として活用されますが、停電により暖冷房が途絶えた場合においても、断熱性の高い建築により避難者の命が守られることも実証されております。

 区有施設において率先して省エネ断熱性能を高めることで、北区民の省エネルギーへの意識向上へも繋がり、また、北区民としての誇りともなり、北区の大きなイメージアップとなります。

 とりわけ、学校、保育園などの省エネ断熱性能の向上は、区民・保護者にとって極めて重要です。北区議会において本請願を採択いただき、北区の区有施設の省エネ断熱性能を高めていただきますようお願い申し上げます。

  1. 北区有施設において再生可能エネルギー由来の電力調達をすることを求める陳情

提出年月日 2022年2月16日

北区議会議⻑ 名取 ひであき殿 

陳情者 北区ゼロエミッション2050

            

要旨

 北区有施設での電力調達を再生可能エネルギー電力へ切替えるよう北区議会として求める

理由 

 2021年11月13日に閉会したCOP26(第26回気候変動枠組み条約締約国会議)では、温暖化を1.5℃以内に抑えること、そのために各国に来年末までに目標(NDC)を強化することを求める合意文書を採択しました。

 今のままでは、2040年には1.5℃上昇が起きてしまうと言われています。そのため、2030年までの行動が、2050年までの温暖化に大きな影響を及ぼします。早急な対策が必要です。

 CO2排出実質ゼロの実現に向けて、使用電力の再生可能エネルギー100%への転換を目指し、自治体における再生可能エネルギーの導入促進が求められています。環境省は2020年6月に「気候変動時代に公的機関ができること‐「再エネ100%」への挑戦‐(公的機関のための再エネ調達実践ガイド)を公表し自治体での再生可能エネルギー電気の導入を推進しています。

 区自らが、再生可能エネルギーの積極導入を行うことで、事業者や団体などへ広がりを見せます。2050年に二酸化炭素実質排出量ゼロを実現するため、北区議会としても本請願を採択いただきますようお願い申し上げます。

  1. 北区に脱炭素先行地域の設置を求める陳情

提出年月日 2022年2月16日

北区議会議⻑ 名取 ひであき殿 

陳情者 北区ゼロエミッション2050 

                

要旨

脱炭素先行地域の設定を積極的に検討することを北区議会として求める

理由 

 国と地方が協働・共創して2050年までにカーボンニュートラルを実現するため、国・地方脱炭素実現会議において「地域脱炭素ロードマップ」が策定されました。

 環境省は、2025年までに少なくとも100か所の「脱炭素先行地域」を支援することとし、来年度200億円の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」を概算要求しました。脱炭素先行地域募集要領は、すでに環境省から公表されております。

 北区では、昨年「強い危機感・決意のもと、2050年までに⼆酸化炭素排出量実質ゼロのカーボンニュートラルを目指し、ここに脱炭素社会への移行に全力で取り組むことを宣言します。」と「北区ゼロカーボンシティ宣言」を表明しております。

 脱炭素先行地域について10類型が例示されていますが、北区は、B)住宅街・団地、C)大都市の中心部の市街地(商店街・商業施設、オフィス街・業務ビル)、E)大学キャンパスなどの特定サイトに該当します。 

 特に北区では、民生部門からのCO₂排出量が多い中、大きな団地が点在しております。巨大な団地を「脱炭素先行地域」に設定することで、CO₂の大幅な削減を見込めます。

 2050年までに北区のカーボンニュートラルを実現するため、まずは「脱炭素先行地域」を設定するよう、北区議会として区に求めていただくようお願い申し上げます。

文:プロッツ ミシェル

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンのインターン。国内外の環境問題、気候変動対策に関する領域を大学で専攻しています。インターンの活動を通じて、一人でも多くの方がアクションに加わって頂けるよう、SNSなどを通じた情報発信に努めたいです。


◎一緒に活動しませんか?

ゼロエミッションを実現する会では、市民からの自治体・議会へのアプローチを行っています。
今まで取り組んだことのない方でも大丈夫。

「ゼロエミッションを実現する会」には、たくさんの仲間がいます。
ご参加リクエストをお待ちしています!

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