断熱に取り組もう
2024.12.27

近年、夏がますます暑くなり「冷房が効かない」ということが話題になるようになりました。また、冬も「日本の家は寒すぎる」ということもテレビなどでとりあげられています。こうした問題の解決策が、「断熱」です。もちろん、冷房や暖房の効きをよくする、ということは「省エネ」につながり、二酸化炭素削減にも大きく貢献することができます。
日本の家は、夏暑く、冬寒い
日本の家が、夏暑く、冬寒いのは、「断熱」がきちんとされていないから。
少し古い数字ですが、日本の既存の住宅の約9割が、無断熱もしくは低断熱です(下グラフ:無断熱などが29%、昭和55年に決められた断熱等級2程度の低断熱が36%、平成4年に木決められた断熱等級3程度の低断熱が22%)
出典:国土交通省の資料
断熱等級は、1から7まであり、義務化となる「等級4」を満たしているのは13%でしかありません。
「等級4」では不十分
義務となる「等級4」は、実は十分なレベルではありません。以下は、断熱基準の国際比較のグラフです。以下のグラフの「熱貫流率」というのは、家の外の温度と中の温度の差が1℃のとき、壁(や窓ガラス)1平方メートルを1時間の間に通過する熱量のこと。値が少ないほど、断熱が効いている、ということになります。英国やドイツでは0.30から0.36に対し、日本は0.46から0.87とかなり「お寒い」レベルとなっています。以下のグラフにある「日本ZEH基準」というのは2030年に標準化が目指されている基準ですが、それでもまだ不十分です。
無断熱・低断熱の弊害
夏は暑すぎる、冬は寒すぎることは、健康面でも以下のようなさまざまな弊害を生んでいます*。
・ヒートショック
・熱中症
・高血圧症
・循環器疾患
参考資料:日本サステナブル建築協会のリーフレットhttps://www.jsbc.or.jp/document/files/202002_house_health_leaf.pdf
住宅の外皮平均熱貫流率(UA値)基準の国際比較 (2021年)
出典::国土交通省の資料 https://zeroemi.org/relationships_with_legislators/
等級6,7で健康・省エネ住宅
断熱等級は、住宅の断熱性能のレベルを表すものです。等級は1から7まで(数字が大きいほど断熱性能が高い)。日本では2025年から等級4が義務化されますが、欧州では等級6程度が標準仕様です。
(イラスト/まんが制作: リック・ベッジオ)
神奈川県横浜市では「等級6,7を当たり前に」を合言葉に、健康・省エネ住宅の普及を進めています。
https://ecohouse-conso.city.yokohama.lg.jp/philosophy.html
断熱性能向上のために、あなたにできること
わたしたちにできることとして、地域の工務店、行政の建築局や施設課、まちの不動産屋さん、議員などのステークホルダーに断熱性能向上をはたらきかけることができます。
未来を担う子どもたちに断熱について伝えることも重要です。できる範囲で、できることをやっていきましょう。もし、不安や不明なことがあれば、いつでもゼロエミ事務局にご相談ください。スラックの#よろず相談チャンネルや、 毎週土曜日朝10時からのオンラインの定例相談会をご利用ください。

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